スロウハイツの神様は、今まで読んできた小説の中で一番好きです。
自分の好きなモノを語るときって、『一番』って言い切りたく無いのが本音なんですよね。
一番好きなラーメンとか聞かれても、気分によって変わるし難しい。
……なので、一番好き!って言い切れるのって幸せだなーと思いながらのご紹介。
【辻村深月】スロウハイツの神様:あらすじ
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー
あの事件から10年。
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。
夢を語り、物語を作る。
好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。
空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。
意味深なあらすじですね。
小説のジャンルを敢えて付けるなら青春群像ミステリーでしょうか。
スロウハイツの神様は上下巻の構成です。
登場人物の様々な視点から語られる物語は、もしかすると上巻で少し眠たく、退屈に感じるかもしれません。
下巻を読み進めると、この小説がミステリー小説である事を痛感させられます。
上巻で散りばめられた伏線を、回収しながら収束する物語。
驚きと感動の連続で一気に読みたくなります。
【辻村深月】スロウハイツの神様:ここがすごい
例えばあなたが、上巻と下巻をセットで買うとするじゃないですか。
あなたが普段あまり小説を読まない方だとすれば、上巻の読破に一週間ぐらい掛かるかもしれません。
そして、重い腰を上げて下巻を読み始めるじゃないですか。
そうすると、そこからは怒涛の展開に酔いしれて、一晩で読み終わる訳ですよ。
……そして、凄いのはその後でして、大半の人はもう一度上巻を読み直すんですよね。
人に貸したときの話
スロウハイツの神様を普及させるため、人に貸したりもするのですが、大抵こんな会話になるわけです。
友人「上巻読み終わったから返す。下巻借りるね。」
私「おう。」
……次の日
友人「下巻読み終わった!面白い!!上巻もう一回貸して!!!」
私「おう。」
……すごいですね。
なので、上巻でこの本の良し悪しを決めないで欲しいです。
下巻を読み切って評価して貰えると嬉しいです。
後悔はさせません。
コメント